こんにちは。もんにちは。

Monnichi.today総合情報サイトにおいてコラムを担当させて頂くことになったコラムニストの一人、ゾリゴです。

再び、お目汚し致します。

前回は、モンゴルの経済特徴を鳥瞰的・俯瞰的に見て行きましょうという試みで、まあ、ものすごく一般的な情報を発信しましたが、今回は、少しは時事ネタ的なものも含めて書きたいと存じます。

そうですね。騒がしい世の中。モンゴルも同じです。

2007年9月は特に騒がしい月でありました。まずは、良いニュース。中国景気の減速や、世界的資源安の影響により、2014年までの高度成長から一転、2016年に1%程度の経済成長及び多額の財政赤字に悩まされていたモンゴルマクロ経済ですが、国際通貨基金(IMF)による拡大信用供与措置(EFF)の実施による投資家心理の回復や、世界資源価格の回復等を受け、2017年第一半期においては予想GDP成長率(年率)の4.3%を上回る5.3%を記録しました。
輸出額の増加が主な寄与要因となりましたが、中でも、石炭の輸出額は前年同期比で4倍以上増加と大きく寄与しています(価格増加による寄与は約2.2倍、輸出量増加による寄与は1.99倍)。中国による対北朝鮮石炭輸出規制によるものが多いみたいですね。

これで一つ安心材料もあるし、IMFの信用供与措置の元でモンゴル国も良い子良い子するでしょう!と、2017年9月には、フロンティア証券によるInvest MongoliaやDiscover Mongolia, Coal Mongoliaなど対海外投資家向けのカンファレンスが数多く実施されました。Invest Mongoliaにおいて、前年比で20%も多い、約200人の海外投資家が足を運びました。

ところが、どっこい。「政治的な安定性が投資する上で最も重要なファクターである!」と海外投資家が注意する間もなく、9月7日にエルデネバト内閣が総辞職することに。Discover Mongoliaや、Coal Mongoliaに足を運んで頂く予定であった海外投資家もガッカリ、多くは來蒙をあきらめてしまいました。無論、モンゴル国債の価格も暴落しました。

ま、しかし、悪いことばかりではありません。なにしろ、エルデネバト内閣は、役職売買等の疑惑等で支持率・人気ともにがた落ち、いずれは改正される必要あるでしょうと囁かされていましたから、いずれ辞職するなら、早い方が良いという見方もあります。問題は、次期内閣をどのような構成で作るか、どれくらい時間がかかるか、現状の不信を払拭することが出来るかなどでしょうね。注目して行きましょう。取り急ぎ、与党の党議も終わり、フレルスフ氏が第30回総理大臣となることになりましたが、後は内閣をどのように構成するか、その構築段階で、毎回のように、下の一般公務員まで総入れ替えするのかなど、注目したいことも多いことでしょう。

悪いニュースばかり書いても仕方がないし、最後は、ポジティブなニュースにも触れておきたいと思います。2017年9月6日から露極東のウラジオストクで東方経済フォーラムが行われました。日本からは安部総理大臣、ロシアからはプーチン大統領、モンゴルからはバトトルガ大統領も訪問し、東方の経済・国際政治を含む数多くの話題がなされました。安部総理大臣がプーチン大統領とバトトルガ大統領を来日して、柔道の試合しませんかと提案したなど、皆様ご存知のニュースも多いと思われます。

せっかく、モンゴルの経済が予想を上回る経済成長でした、それも石炭輸出の増加によるものが大きいとはじめたので、最後にまたもや石炭ニュース及び、それをどう見るかという話題。前回も紹介した通り、石炭はモンゴル最大の輸出項目。その輸出先は中国がメインとなっております。では、今回の東方経済フォーラムにおいて、バトトルガ大統領はプーチン大統領に「モンゴルの輸出先の多様化において、ロシアと、特にロシアの極東地方とどんなことが出来るか?」と働きかけ、タヴァン・トルゴイの石炭をロシアのウラジオストク港を経由で日本を含む世界の市場に提供できないかということを話し合いしました。

4000キロもの先の港に持って行くなんて、交通費だけでどれだけかかると思っているのか!? それは非現実的でしょう!という批判の声も多いが、プーチン大統領は、8000キロ先から良質な石炭をウラジオストク港に運んでいるので、それは現実的であり、両国の関係強化にもつながる良い案だ!と快く受け入れたとのことです。

今回は両国の首脳が合意した形となりましたが、課題はやはり、経済性があるかどうかということです。今後は、鉄道のタリフをどのように決めていくか、総輸送量はどの程度になるか、ロシアの国土を経由するための関税をどの程度低減できるかなど、より詳細な交渉が今回の話し合いを成功させるかどうか、モンゴルの輸出を増加させるかどうかにつながってくるものと考えられます。

では、今回もお目汚し約として少し時事ネタを書いたゾリゴでした。

もんじゃ、次回までよろしくお願いいたします。