校長あいさつ

 モンゴルは日本の工学系教育である高専をモデルにした制度を導入し3年目を迎えています。高専は、技術大国、日本の暧れた教育システムだと思っています。新モンゴル高専はモンゴルでそのシステムを取り入れた学校の一つであり、現在250名の学生と30名の教職員がいます。我が高専は、健康で人間性が豊かかつ専門やコミユニケーション能力を身に付けた若き技術者を育成することを目指しており、卒業後は国内外の技術者と協力して働いて頂きたいと考えています。そのために専門科目以外に日本語や英語といった外国語も重視しています。

多様化が進む今日の世界で他国と協調し自国の発展に当校の卒業生は大きく寄与していくに違いないと信じています。そのような人材育成に日本の高専や大学の皆様、企業・機関の皆様、そして日本人のみなさまに新モンゴル高専へのご協力をよろしくお願いいたします。ありがとうございます。

モンゴルにおける高専設立の経緯

モンゴルでは基幹産業を発達させるために4万人以上の技術者や技能士が必要だと予想されています。そのため、外国人の専門家を招聘するほか、多くの若者を海外で育成することが求められています。海外での人材育成はもちろんいいことですが、学生自身の経済的負担はとても大きなものです。そこでモンゴル国政府と、仙台高専卒業者である元モンゴル教育科学大臣ガントゥムル氏が中心となり、モンゴル国内における技術者養成のために日本の高専教育制度の導入を始めました。その結果、国立・私立合わせ3つの大学が高専をモデルにした学校を設立し2014年9月に開校しました。その一つが、新モンゴル高専です。

学科の紹介と教育目標

土木建築工学科30-35/学年

人々の安全・快適なくらしを支える社会 基盤施設の計画・設計・管理のための知識と技術を修得し、自然環境との調和や人類の幸福を追求し、実践できる技術者を育成することを目的とする。

電気電子工学科30-35/学年 

問題発見能力、問題解決能力、および起業家精神を有した、産業界で活躍できる創造性豊かな実践的電気電子技術者を育成することを目的とする。

物質工学科30-35/学年 

物質や生物の知識を基礎として、それらから派生する工学の基礎知識と技術を備えた環境問題や新しい科学技術に対応できる、実践的な技術者を育成することを目的とする。

機械工学科30-35/

産業界のあらゆる分野でグローバルに活躍できる、創造性豊かな問題発見能力、問題解決能力、および起業家精神を有した、機械技術者を育成することを目的とする。

国際交流・協力

日本の高専教育をモンゴルに導入することが皆様のご協力なしでは困難です。そのため、積極的に国際交流を図り、ご協力を頂きながら導入を進めています。まず、日本の国際協力機構(JICA)が大変ご協力をしてくれています。学校運営に最も重要な要素は、教員です。新しい教育制度を導入していくには現場の教員が理解していなければなりません。そのため、JICAが独立行政法人高等専門学校機構と協力しモンゴル人教員の研修プログラムを実施しています。ここまで我が高専から6名の教員が日本の高専で研修を受け、その内容を続けて当校に実践し

ています。また、モンゴル教育文化科学省と独立行政法人高等専門学校機構とは、「日本・モンゴルの工学系教育に関する覚書」に調印しました。これにより、両国の高専および教育機関の交流が拡充され、教職員や学生の学術交流ができるようになります。これまでにさくらサイエンスプログラムで日本の仙台高専、鶴岡高専、苫小牧高専に計10名の学生が参加し日本の高専、研究所、企業、科学技術センターを見学、研修しました。