長らく政治混乱の火種となった末、ようやく発動するのか、と思ったら、膨大な資金着服などが発覚され、世間を騒がせた南部の鉄道インフラ開発事業。再燃されるようだ。でも、違う形で。

政府は10日の閣議で、鉄道開発事業と具体的な措置等を決定し、タワントルゴイ炭鉱からドルノゴビ県ズーンバヤン方面の約414.6㎞に及ぶ鉄道インフラを進める方針を明らかにした。

その開発準備が整えば、5月1日から着工されるとも、政府が見解を出したが、そこに必要な労働力を国防軍で補う方針だという。軍隊動員という方針は、世間で賛否両論を巻き起こしている。「軍隊を大規模な国家開発事業へ投入しても問題にならない」と、そもそもモンゴルが採用している徴兵制度の力を活かそうという観点があれば、「それでも不安だから辞めよう」と反対の声も湧き上がっている。

政府によると、派遣人員は1800人だが、その所属先などを全く明かしていない。おそらく国防軍の工兵部隊などの派遣可能性が濃厚だ。

一方、軍内部では、兵士暴行殺害事件や兵士暴行致傷事件、兵士脱走事件など、不祥事が度重なり発生。国防省や軍参謀本部の対応と対処が鈍かった。むしろ、世間の批判先も真相を葬ろうとする制服組のあり方と責任の取り方に向かった。鉄道事業へ軍隊動員に関する政府方針と国防省などへ、ソーシャルメディアを通じて国民が「もしも何かあったら、だれが責任をとるか」で賛同もせず、むしろ信用していないことを表明している。