12日の国会本会議では、ゾリグ氏殺害事件の真相究明を目的の特別委員会の設置に関する決議案が可決された。ロブサンヴァンダン・ボルド議員やジャルバスレン・バトザンダン議員、ツェンド・ニャムドルジ議員(法務相)、ロブサンナムサライ・オユンエルデネ議員(内閣官房長官)が立案した。

事件は今から21年前の1998年10月2日に発生。この日、ゾリグ氏は帰りを待ち伏せしていた犯人グループに襲われて殺害された。犯人とその動向など不明なまま、捜査は二転三転していたが、発生から18年が経過の2016年、事件が大きく動いた。犯人が逮捕・起訴されたからだ。だが、この逮捕劇の裏側には、捜査官の拷問など、本来あってはいけないことが起きていたという。そのため、先月21日にセンド・ニャムドルジ法務相も本人たちとその家族に謝罪し、公式に冤罪を認めた。

一方、この事件を巡る捜査手続きなどが国際社会からも注目されていた。列国議会同盟(IPU)理事会が、モンゴル国会に対して2017年のゾリグ氏殺害事件を巡る最高裁の判決について「人権保護や公正裁判の観点からの不適切性」を勧告し、その公平かつ公正を図るためにその訴訟に対して管理監督を職務とする国会特別委員会の設置を呼び掛けていた。「当該事件の真相究明は、国民のみならず国際人権団体やIPUも関心を寄せる事項となっている」と立案者の一人、ボルド議員は立案説明で語る。